2014年07月27日

世界を目指すということ(その2)

(その1はこちらから→ http://nishipro.sblo.jp/article/101935260.html

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それにしても、どうしてこんなにも世界の壁は厚いのか。


一番大きな問題は、テレインの性質にあると思う。

地形の一つ一つが大きく、地形を用いてラインを正しく乗り換えて行くのがメインの日本に対し、
欧州のものは、見通しが悪かろうが足場が悪かろうが、とにかく直進ができないと話にならない、ということが多い。

そしてそのような経験をする機会が日本ではごく限られる。
技術的な難易度が根本的に違うのだ。

また、地図も相当に特殊であるように思った。
自分の海外経験は先述のエストニアとスウェーデンのオーリンゲンだけだが、いずれも誇張表現がかなり極端だった。
沢じゃないのに沢が描かれていたり、凹地じゃないのに凹地が描かれていたり、ちょっと首をかしげたくなるものが多かったように記憶している。

もちろん、一言に欧州のテレインと言っても、国や地域によってその性質は様々である。

しかし、日本人が欧州に遠征するのには相当なお金と時間が必要なのに対し、
欧州の人間が、別の国に遠征するのはずっと簡単だ。


他のスポーツとは違い、地域による個性が全く異なるのが、「オリエンテーリング」という競技の特色である。
それは非常に面白い一面であるが、一方で、オリンピック種目のようなグローバルなスポーツを目指す上で大きな弱点であると言わざるを得ない(だからこそ、IOFはスプリントのような地域特性を極力排除した公平性の高い種目に力を入れ、その弱点を克服しようとしている)。

もちろん、日本で欧州向けの対策練習をする工夫の余地はいくらでもあるが、根本的な部分で、日本は宿命的に大きなハンディを背負っていることをまずは自覚する必要があろう。

そして。

そこに、体力面の弱さが掛け算でかかってくる。

日本のオリエンティアのトレーニング量水準が低いからなのか、成長期に十分なトレーニングをした人があまりいないからなのか、汚い不整地を走る経験が乏しいからなのか、そもそも底辺の競技者数が少ないからなのか、少なくとも、「技術では負けるが体力では欧州の選手と伍して戦える」という選手は少ない。



結果、世界との隔たりはとてつもなく大きくなる。
では、競技者は一体どのようなモチベーションでもってそこにアプローチすればいいのだろうか?
そこに価値を見出すことはできるのか?


(つづく)
posted by tkmasa2466 at 09:17| Comment(0) | 日記

2014年07月24日

世界を目指すということ(その1)

石澤さんがTwitterで以下のように投稿されていた
==
過去からずっと変わらないけれど、代表選手たちは僕らの誰よりも練習し、強い思いを持って世界選手権に臨んでいる。そして、多くの場合打ちのめされて、誰よりも傷ついて帰ってくる。憧れの存在であることは、想像もつかないほどの覚悟と引き換えなのだ。
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また、世界選手権を走った某若手選手はしばらく競技を休む旨の投稿をしている。

現状、フットオリエンテーリングで世界の舞台に立つというのは、それくらい今の日本人には厚い壁なのだ。
結果を出すことが著しく難しい世界では、モチベーションを保つのも難しい。
果たして、それでも我々は世界を目指すべきなのか?その目的はなんなのか?

少しそのことについて考えてみたいと思う。


※書き出したら、どんどん長くなってしまったので、一旦アップ。連載形式にします。
※着地点は見えているので、近日中に全文アップします。


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少し自分の話をしたいと思う。

自分は、大学3年の時にインカレチャンプになった。
直後に設定したターゲットが翌々年のユニバー(世界大学選手権)である。
ミドルで50位以内に入る、くらい言ってた気がする。
そのため、夏には開催地のエストニアで単身3週間の現地キャンプを張った(←今考えたらよくこんなことしたなぁと思う)

そこで世界の壁を見た。

地形が見えない
直進ができない
日本で出来たことが何一つ通用しない。

高校生用(M18)のナイトOが、10kmくらいある普通のガチのロングコース。
完走はしたものの、1年生みたいな走りで、本当に命からがらだった。

街スプリントはちゃんと走れた。ほぼノーミス、ノーストップの完璧なレース。
でもリザルトを見て驚愕。最下位の一個上だった。


3週間も居ればそれなりに走れるようになるだろうという目論見はもろくも崩れ、そこで考えた。
世界の舞台でそれなりの結果を出すためには、時間的に相当な投資をしないと無理だろう。
それで仮に希望通りに「それなりの結果」が出たとして、どれくらいの人間がどれくらい喜ぶだろう?
その喜びのために、多大な努力をする覚悟を自分は持てるんだろうか?

しばらくして、自分はユニバーを目指すことをやめた。
ほんの半年ほどの夢だった。


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(つづく)
posted by tkmasa2466 at 23:26| Comment(0) | 日記

2014年06月21日

航空写真の利用規約について

先日の記事で、Googleの航空写真が地図調査に使えるという話をしましたが、「それはGoogleの利用規約に反するのではないか」というご指摘を頂きました。

Googleの規約では、

「使用の制限: ユーザーは、事前に Google(または場合によっては特定のコンテンツのプロバイダ)から書面による許可を得ることなく、次のことを行ってはなりません: (a)コンテンツまたはその一部を複製、翻訳、変更、または派生物を作成すること、(以下略)」

とあり、また使用許諾ガイドラインには、

「Google マップまたは Google Earth を、独自の地図やその他の地理コンテンツのトレース元として使用することはできません。」とあります。


これをそのまま読めば、確かに「利用規約に抵触する使い方ではないか」という意見はありえます。


ただ、航空写真から、「たぶんここが林業道だろう」と予測を立て、実際に実地調査をしたうえで線を引く行為が果たして「トレース」に当たるのかというと、ちょっと難しい気がします。

航空写真でも現地の様子はだいたい分かりますが、それで地図調査が完了するほど、O-mapの作成は生易しくありません。実際、林業道と思われた場所が違っていたりということは普通に起こりますし、道のランク、他の特徴物との相対的位置関係など、航空写真だけでは得られない情報もたくさん盛り込まなければなりません。



とはいえ、「君子危うきに近寄らず」。
利用規約に抵触する可能性があるなら、それを避けるのが無難です。

Bingや国土地理院等、航空写真を提供しているサービスは他にもありますので、それらの利用規約とも比較しつつ、より問題のない利用を目指す方が良いかもしれません。私も今後これらのサービスの利用を検討してみたいと思います。
posted by tkmasa2466 at 20:15| Comment(0) | 地図調査